墓石の向きや建て方について
【動画で解説】お墓の向き(方角)について
お墓を建てるといっても「決まりごとや制約はあるの?」、「一体何が必要なんだろう。」などと悩むはずです。ここではお墓の建て方、お墓に必要なものを説明します。
お墓の向きについて
お墓の向きは住宅などと同じように南や東向きが良いという人もいますが、実際には方角での決まりごとはありませんので気にすることはないでしょう。
お墓を建てる際に、特に北向きを気にされる方が多いのですが、日本では古来より北を天皇の玉座(上座)とする風習があり、北向きに建てると、礼拝する人が上座に立つことになるので避けていたといわれています。
しかし、本来仏教では、東西南北の四方とも尊敬し、四方浄土というように四方すべてに仏様がおいでになり、方位の吉凶は説いていません。
また、実際、お寺の墓地や霊園においては既に整地され、区画や向きも決まっていることが多く、北向きで建てられているお墓もあります。
周りのお墓の状況や墓地管理者との相談も含め、向きを検討されると良いでしょう。
それでも、どうしても方角が気になるということであれば、球体の形をしたお墓をお勧めします。球体は「四方正面で方位の吉凶を超える」といわれています。
また、灯籠をお付けするのが良いでしょう。灯籠は魔除け、方位の災いを取り除くものとされています。
墓相(ぼそう)について
墓相というのはお墓の形、お墓の向き、石の種類などによって、そのお墓を持っている家族の運勢をみるというもので、昭和の初期頃から始まったといわれています。
しかし、実際には墓相は仏教的な意味もなく、統計的な根拠もなければ、因果関係も明らかにされていないので、一種の迷信や占いと同じで気にする必要は全くありません。
なぜなら、墓相にはいろいろな説があります。
墓相を唱(うた)っている人や、墓相の書籍もいくつか出ていますが、それぞれ内容が食い違っていたり、時には逆の説があったりします。
一つ例を挙げると、『黒い石でお墓を建てると災いを呼ぶ』という人もあれば、『黒い石は幸運を呼ぶ』という人もいるのです。
北日本の地域は黒系の石でお墓を建てる人がとても多く、長野県でも地域によりますが昔から黒系の石が多く使われています。そのすべての人たちに災いが起きているとしたら大変なことですよね。
だからといって、墓相をすべて否定するわけではありません。信じる、信じないはあくまで個人の判断で行うべきです。また、人に強要するものでもありません。
なかには、この墓相をうたい、人の弱みにつけ込んで高額な墓石や付属品などを販売しているケースもあるようなので注意が必要です。
皆さんもよく考えてみてください。大切なご先祖様や故人のために、できる限りのご供養をしてあげたのに、お墓によって人が幸せになったり不幸になったりするというようなことはないのです。