墓石について
お墓の建て方について
いつ、何日までに建てなければいけないという決まりは一切ありません。思い立った日が吉日です。
埋葬しなくてはいけないご遺骨がある場合でも、法律的にも宗教的にも時期の決まりはありません。
しかし、一日も早く安眠できる場所をつくってあげることが一番のご供養になります。
大切なのは建てる時期ではなくご供養の気持ちですから、ご家族で相談され、気持ちの整理がついた時期で良いと思います。
生前にお墓を建てることを『寿陵』(じゅりょう)と言います。「寿」は長寿・長命を意味し、
「陵」は「はか」を意味します。天皇のお墓も「御陵」と呼ばれています。ですから、生前にお墓を建てるということは、「家に幸福を招き、長寿が約束される」という大変縁起が良いこととされています。
宗教・宗派により形や大きさ、石の色などの制約は基本的にありません。
近年は多くの洋型・デザイン墓石が登場し、自由な発想で自分好みのお墓を建てる方が増えてきています。
ただし、浄土真宗では教えにより塔婆立、五輪搭、水子地蔵は使用しません。
また、神道では一般的にトキン型といわれるデザインを使用し、仏教の花とされる蓮華(レンゲ)デザインは使用しません。
日本も少子化が進む中、今後も増えていくお悩みだと思います。『お墓を守る跡継ぎがいない』、『娘しかおらず、みな嫁にいってしまった』、そのような方はご心配になるかと思います。
一部の墓地・霊園などでは、承継者(跡を継いでいく人)がいないということで墓地の販売を拒否するという話も聞いたことがあります。その理由は、墓地・霊園等は管理費を徴収しており、代が途絶えると未納になってしまうこと、お墓が無縁墓になってしまい、管理する人もなくお墓が
荒れてしまうことなどです。これはあくまで墓地・霊園管理者の言い分です。
しかし、承継者がいなくてもお墓を建てることはできますのでご安心してください。
永代供養といって、承継者がいなくてもその墓地・霊園管理者が永代に渡り、ご供養してくれるものがあります。
また、霊園によっては夫婦二人だけの夫婦墓、個人のための個人墓なども設けているところもあります。永代供養の場合は、管理料などは契約時に永代分を一括して支払うことが多いようです。
いずれにしても、永代供養に関しては墓地・霊園管理者とよく相談の上、契約する必要があります。
墓を建てる時、お墓の向きを気にかける方は多いようです。墓相や風水などでもいろいろな説がありますが、結論から言うと、方角による「良し悪し」には根拠はありませんし、気にすることではないと思います。
お墓は仏塔です。仏の座に東西南北はありませんし、四方浄土というように四方すべてに仏様がおいでになるわけです。
ただし、どうしても気になるという方は球体の形のお墓を建てたり、灯篭を設置することで方位の災いを取り除くともいわれていますのでお勧めをしております。
「墓相」(ぼそう)というのは、お墓の形・お墓の向き・石の種類などによって、そのお墓を持っている家族の運勢をみるというものです。しかし、実際には墓相に統計的な根拠もなければ、因果関係も明らかにされていないので、気にする必要は全くありません。
なぜなら、墓相にはいろいろな説があり、内容が食い違っていたり、時には逆の説があったりします。なかには、この墓相をうたい、人の弱みにつけ込んで高額な墓石や付属品などを販売しているケースもあるようなので注意が必要です。
皆さんもよく考えてみてください。大切なご先祖様や故人のために、できる限りのご供養をしてあげたのに、お墓によって人が幸せになったり不幸になったりするというようなことはないのです。
先祖代々お守りしてきたお墓を粗末にはできません。新しくお墓を建て直す場合、いくつかの
方法があります。
1.既存のお石塔をそのまま残す。
・新しいお墓の外柵の中に並べる。
・新しいお墓の外柵の外にコンクリートを打ち、並べる。
2.既存のお石塔を残さない。
・ご先祖様のご供養のためにお石塔を一つにまとめ供養塔(五輪塔や宝篋印塔など)をお建てする。
・既存のお石塔はご供養し、新しいお墓の基礎の下に入れるか、墓石店に引き取ってもらう。
いずれにしても、墓地の敷地の広さや、現在あるお石塔の数や大きさにより方法は異なりますので、墓石店のアドバイザーに現地を確認してもらい、最適な提案を受けるのが良いでしょう。
「こうしなさい」という決まりは一切ありません。戒名(法名)について主な方法は2つあります。
1.全員の戒名(法名)を彫る。
2.一番先頭に先祖をまとめる意味で「○○家先祖代々諸精霊」などの文字を彫り、建立者からみて生活を共にした、父母や祖父母の代から戒名(法名)を彫る。
先祖代々続いているということは、菩提寺とも長くお付き合いされていると思いますので、ご住職様にご相談することも良いでしょう。