お墓を建てる時期について
一体、お墓はいつ建てるのが良いのでしょう?
【動画解説】お墓を建てる時期について
建てる時期に決まりはない
いつ、何日までに建てなければいけないという決まりは一切ありません。思い立った日が吉日です。
ただし、埋葬しなくてはいけないご遺骨がある場合には、一日も早く安眠できる場所をつくってあげることが一番のご供養になります。
大切なのは建てる時期ではなく、ご供養の気持ちですから、ご家族で相談され、気持ちの整理がついた時期で良いと思います。
建てる時期のいろいろ
埋葬すべきご遺骨がある場合は四十九日法要、一周忌法要、新盆やお彼岸など、法要に合わせて建てる方が多いようです。
なかには三回忌(亡くなられて二年目)法要に合わせて建てる方もいますが、故人のご供養のためにもなるべく早く建ててあげたいものです。
長野県の中でも特に雪の多い東信、北信では、4月、5月の気候が良くなってきたころ、または、8月のお盆に合わせて建立されることも多いのですが、9月の秋彼岸、10月の雪の降る前に建立し、ご納骨される方も多くいらっしゃいます。
お墓が完成するまでのご遺骨は、自宅のお仏壇などで保管しご供養します。
ただし、建立が一周忌を過ぎるようであれば、菩提寺(ぼだいじ)に預けてお守りしていただくことも良いでしょう。
また、最近では生前にお墓を建てる方が増えてきており、その方たちは還暦のお祝いや、定年退職を期に、といった自分にとっての節目に建てられる方が多いようです。
生前にお墓を建てても良いの
生前にお墓を建てることを『寿陵(じゅりょう)』といいます。
「寿」は長寿、長命を意味し、「陵」は「はか」を意味します。
天皇のお墓も「御陵(ごりょう)」と呼ばれています。ですから、生前にお墓を建てるということは、「家に幸福を招き、長寿が約束される」という大変縁起が良いこととされています。
寿陵の歴史は古く、秦の始皇帝をはじめ歴代の皇帝が建てたことがよく知られていますが、日本でも「日本書紀」や「聖徳太子伝歴」には、聖徳太子や蘇我入鹿が、生前に自分のお墓を建てた記録があります。
寿陵の本来の意味はお墓を建てることで、一度死に、これまでの人生を一度清算し新たに生まれ変わるというものです。民俗学でいうと「擬死再生(ぎしさいせい)」の行事とも呼びます。
本来は生前に戒名をいただき、戒名部分のみに朱色を入れます。昔は「不老長寿の願い」として石棺や木棺の内側に朱色の水銀を塗りました。これが寿陵の朱色文字の始まりといわれています。
また、生前に戒名をいただき、自分の死後の供養を生きているうちに行うことを『逆修(ぎゃくしゅう)』といい、仏教ではその功徳は計り知れないものとされています。
生前にお墓を建てるメリット・デメリット
生前にお墓を建てた場合にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょう。
メリット
- 自分たちの希望する霊園を選べる
- 永代供養墓や樹木葬など、将来の管理が不要なお墓を選べる
- 子供に負担をかける心配がない
- お墓は相続税や不動産取得税・固定資産税などもかからない
- もしもの時に慌てて準備する必要がない
デメリット
- 仏様がなくとも定期的に掃除やメンテナンスを行う必要がある